火災保険料は決して高くありません。
補償内容を把握すれば安心できるうえに、無駄を省いて更にオトクになります。

※保険代理店に見積もりしてもらう前に学んでおこう

火災保険は、住宅ローンや賃貸契約を結ぶときに相手方に求められるままに契約する事が多いのではないでしょうか?
自発的ではないため、内容を細かく把握して入ろうと思わず、メインであるローンの契約を急ぐことなどから火災保険をゆっくり考える時間もないままお任せで契約してしまいがちです。その上、ローンに合わせて長期を希望することから見直す機会も無く年月がすぎ内容を忘れてしまいます。

補償内容を把握していなければ、いざ、災害や損害にあった時に、火災保険を活用できない可能性があります。これは保険料を無駄に支払っていることと同じです。

補償されるはずなのに請求しなかった、補償されると思いこんでいた、起こりえない被害への補償を設定していた…すべて「補償内容を把握」していれば防げることです。知らないままでは、過去に払った保険料も、これから払う保険料も無駄になってしまいます。
本当に大切なのは自分の保険が災害や損害のリスクに適しているか知る事です。

災害ごとの具体的なイメージをもとう。

どんなリスクが想定され、そのための補償が準備できているか具体的なイメージを持つことをおすすめします。

実際、火災保険で補償される損害は、自然災害によるものから、日常生活上のものまで、幅広くあります。今回はその想定リスクと補償について、災害ごとに少し細かくご紹介させていただきます。

火災のリスク補償
建物 放火された被害によるもの。たばこの不始末やコンロの火によるものなど、火災による損害を補償する。
家財 火災による、家具や電化製品、衣服あるいは日用品など家財への損害を補償する。
落雷のリスク補償
建物 落雷により、瓦が割れたり、屋根に穴が開いたり、庭への落雷で、飛び火して建物が燃えた時の損害を補償する。
家財 近くの電柱への落雷で、電化製品が壊れてしまった時に補償される。
破裂・爆発のリスク補償
建物 ガス漏れに気づかずコンロを点火し、爆発したことによる建物の破損や、それが原因で火災になった時の損害を補償する。
家財 調理中にカセットコンロのボンベが爆発し、家具や家電が壊れてしまった時の損害を補償する。
風災、雹災、雪災のリスク補償
建物 台風や竜巻などによる強風で屋根が壊れたり、飛んできたもので壁に穴が開いた時、雹(ひょう)でガラスが割れた時、豪雪により雨樋が外れ壊れたりした時の損害を補償する。
家財 台風や竜巻などでガラスが割れ、そこから強風が家の中に入って、ジュウタンや家具などが壊れた時の損害を補償する。
水災のリスク補償
建物 台風、ゲリラ豪雨などによる河川決壊等の洪水・融雪洪水・高潮・土砂崩れ・落石などの水災による床上浸水などの被害が補償される。
家財 家財  台風、ゲリラ豪雨、浸水等による、家財の水濡れ被害が補償される。
盗難のリスク補償
建物 空き巣が入り、ドアの鍵や窓ガラスが壊された時の被害を補償する。
家財 空き巣が入り、室内を壊されたり、盗まれた時の被害を補償する。また、限度額はあるが現金や預金通帳等などの盗難被害も補償される。
水濡れのリスク補償
建物 給排水設備の事故により、水濡れ(漏水以外)が生じた場合の補償や、マンションの上層階が水漏れを起こし、自室の天井が汚れた損害を補償する。
家財 水漏れによる被害で家具などが水浸しになった損害を補償する。
物体の落下・飛来のリスク補償
建物 石やボール等が飛んできて、窓ガラスが割られたり壁に穴が開いた時、車が飛び込んできて、門塀や壁などが壊れた時などの被害を補償する。
家財 飛んできたボールなどによりガラスが割れ、家の中の家具などに被害があった時の被害を補償する。
騒擾のリスク補償
建物 興奮した群衆が周辺の家のガラスを割ったり、石を投げたりして、自宅の壁が壊されたりした時の被害を補償する。
家財 興奮した群衆によりガラスを割られ、それが原因で家具に被害にあった時に補償される。
破損・汚損のリスク補償
建物 供の投げたボール等で壁に穴が開いた時や、清掃中に倒した家具で壁が破損した時などの損害を補償する。(偶然かつ突発的に起こった破損や汚損の損害を補償する。)
家財 家財  室内で液晶テレビを移動中、誤って落としてしまい、液晶画面が割れた時の損害を補償する。大切な衣装を着ていて、転んで服が破けたなどの損害を補償する。(携行品損害の補償を付けるとカメラやノートパソコンを落としたりして破損したときの損害も補償される。)

補償特約について

このほかに地震保険や個人賠償責任保険、賃貸住宅のお住まいの方用の借家人賠償特約などには、過去の事例をもとに作られた補償特約があります。損害保険会社によって若干の違いはありますが、保険代理店で必ず内容を把握し必要に応じて加入するといいでしょう。

保険料を無駄にしないために

以上はあくまでも1例に過ぎません。このほかにも様々な損害が考えられます。
災害に直面しても充分な補償があれば、経済的にはもちろん、時間的にも心理的にも余裕が生まれ、元の生活へ戻る大きな助けとなります。
万が一の時に役立ってこその保険。内容を把握して納得した保険に加入すれば、支払う保険料を無駄にせずに済むでしょう。